2017年1月 バルセロナから南フランス・ペルピニャンまでバスで移動

サクラダファミリアの見学を終えた後は、友人と南フランスまでの小旅行にでかけるという予定でした。



午前中の仕事のあった友人とはグラシア通りのカサ・バトリョにて待ち合わせ。

サクラダファミリアからは、徒歩でカサ・バトリョまでむかう。



時間は13時過ぎ。ここスペイン伝統のシェスタの時間。シェスタが今も残っているわけではないけれど、昔の名残か伝統を傘にしてさぼりたいからなのか、たいていのレストランや売店は閉まってしまいます。営業しているのは、チェーン店のハンバーガーやサブウェイぐらい。通りは閑散としている時間帯。犬の散歩をしているおばあさんとすれ違いながら、西に向ってひたすら歩く。
40分ほどでグラシア通り付近に到着。が、ここで問題発生。WifiもSimカードも持たないで来ていたので、地図は「地球の歩き方」がたよりなのだが、なんと「地球の歩き方」のカサ・バトリョの位置が微妙に間違っていた。地図の場所に行っても、昨日見たはずのカサ・バトリョは見当たらず、服や雑貨を売ってる商店街が立ち並んでいるばかり。
ホテルから持ってきたインフォーメーションマップを見ると、カサ・バトリョの二つ先のとおりをうろついていた。二つ通りを戻ると、そこは壮大に佇むカサミラが見えました。まぁ、これが「地球の歩き方」が「地球の迷い方」と揶揄される所以である。
そのせいで、待ち合わせの時間に30分以上遅刻。携帯もつながらない状況なので、迷っていた自分以上に友人の方が焦っていた。最近、スペインはアフリカ・中東からの不法移民が増えたせいで著しく治安が悪化しているとのことなので、何かに巻き込まれたのではないかと思ったらしい。
友人と再会を果たし、バスで南フランスの街・ペルピニャンに向かう。




ペルピニャンはスペインとフランスの国境の街。街の始まりはローマ帝国時代にはじまり、中世にはその立地からか常にスペイン(カスティーリャ)とフランスの支配の問題で戦火にさらされた街。
ペルピニャンに行くことに何か目的があったわけではない。友人がスペインに5年住んで飽き飽きしてしまっているから、わざと安く行ける小旅行を計画したのだった。
日本に在住している身としては、海外それもスペインという有名なヨーロッパの街に移住しているなんて、それだけでステータスのように想えうらやましくもある。そんな気持ちも3か月ぐらい。やはり現地に住むことは、考え方の違いやアジア人に対する偏見なんかもあったりして、ストレスは募っていくよう。友人も昔よりずっと老けてしまい、ところどころ白髪が目立っています。
まぁ、それはさておき友人の奥さん(ポーランド人)とも途中のメトロの駅で合流します。3人とも昼食を食べていなかったので、バス停近くの中華料理屋で食事をしました。


頼んだのはこちらの焼き餃子。特大の餃子15ケで4ユーロと激安。北バスターミナル付近は中華料理店や中華系のスーパーが密集しており、中華料理や食材を格安で購入できる。スーパーの中には、豆腐や納豆、うどん、そばの日本食材から醤油に味噌からカツオ出汁の素、シメジやマイタケなどのキノコ類まで陳列されていてる。これらの日本食材は輸入品ということもあり、日本より割高ではるものの、ヨーロッパの地で日本語が読めることは嬉しいことである。さすがに納豆は見かけませんでしたが。
餃子の方は、ひき肉に外国特有のクセを感じましたが、焼き加減もかなりよくおいしく食べれました。ちなみに、自分が行った店の店員は日本人のことが嫌いらしく、日本人だとばれてる友人にはかなり粗暴な態度を取られます。友人は頼んだラーメンをテーブルの上に投げるように置かれてました。ちょっとスープこぼれてたし。。。

遅めの昼食を済ませた後は、スーパーで菓子と水を買い込み、バルセロナ北バスターミナルへ。


バルセロナの北バスターミナルは国際バスが発着するバス停。南フランスの他にも、ポルトガルやパリまでいけるバスも出ていました。このバスターミナル付近は、ホームレスや浮浪者、何かの中毒者らしき人がうろついていて治安は良くない。おそらく旅行者の金や荷物、バス停の無料で使えるトイレを狙ってのことだと思う。


僕たちが乗るのは、緑色が特徴のFLiXBUS。ドイツの企業が運営するバス会社で、中はとても清潔、バスの中はWifiにテレビまで完備というすぐれもの。ドライバーさんはみんなオレンジのネクタイを付けてるので、大きなバスターミナルでもすぐに見つけられます。
料金は一人5ユーロ。ヨーロッパのバスや電車はなんでも、早期予約でかなりの割引が適用される。僕の場合、友人が3週間前に予約してくれたおかげで、格安でバスが利用できました。ちなみに、当日に窓口でチケットを購入すると、12ユーロと倍以上も違う。ヨーロッパを放浪する方は、行きあたりばったりの計画だと移動で思わぬ出費が・・・なんてこともあるので、要注意。

バスは定刻通りに北バスターミナルを出発。



バルセロナの市街地を抜けると、突然建物がボロくなる。


これがスペインでの一般的住宅街。バルセロナ市内は異様に家賃や地代が高いため、家庭を持つ人は郊外に家を構えるそう。丘の上に見える崩れかえた家は、かつての遊牧民・ジプシーの居住区。友人曰く、ジプシーが一番の問題。ジプシーの人たちは今では定住しているものの、戸籍の登録がないため、教育などの公共サービスを受けることができない。教育を受けないから、識字や計算もままならず定職にもつけない。そんな彼らの生計を支えるものは、盗みである。ゴミ捨て場をあさったり、市場での万引き、強盗まがいなこともするらしい。友人も仕事がらこうした郊外に足を運ぶらしいのだが、何度か強盗にあいそうになり怖い思いもしたらしい。最近はジプシーも町の方まで強盗目的で出てくるらしいので、要注意らしい。観光地を離れると、現地の生々しいものも見えてきてしまう。

郊外を離れると、あとはひたすら麦畑の脇道を走っていく。バスは最新のもので、乗っていて快適。おそらく150kmは出ていたのだろうけど、あまり速度を感じない。


バスはスペイン-フランスの国境付近のパーキングで一度休憩。



このパーキングを出ると、急に道路標識の文字が変わる。バスはフランスに入国したのだ。EUのシュンゲン協定間の移動は入国審査はない。気づいたら、フランスに入っていた。なんともあっけない国境越えである。

バスはペルピニャン駅に到着。すでに夜も19時を回り外は真っ暗。雨が降り始めているので、急いでホテルに向かう。ネット環境がないので、友人がオフィスで印刷してきたプリントの地図を見て、ホテルを探す。ヨーロッパの街はどこも鉄道の駅を街の中心部から離れた位置に作る。なんとなく駅周りは古びた建物が多くて、ちょっと緊張する。


友人の奥さん(ポーランド人)曰く、東欧の街に似てるというが、なんら危険はなし。すれ違う人もスペインと違ってどこか洗練されている。交差点に立ち止まると、ちゃんと車が止まって、歩道を渡らせてくれる。スペインでは信じられないこと。日本でも車優先みたいになってるので、日本の田舎町より交通マナーは良い。


そうこうしてる間に、ホテルに到着。IBIS BUDGETという安宿。場所はフランスの田舎町ということもあって、安いホテルがここしかなかった。一泊素泊まり3000円とEUでも屈指の物価の高さを誇るフランスではありえない低価格。


この後は、夕食の買い出しと夜のペルピニャンを散策です。

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