スペインからバスに揺られること1時間30分。フランス・スペインの国境の街、ペルピニャンまでやってきた。ここペルピニャンでは翌日のナルボンヌ行の新幹線まで一泊する予定となっている。
バス停から歩いて15分ほどと近くではあったが、土地勘のないところを歩いたせいか部屋に入った時はホッと一安心。ホテルはドミトリー形式ではないものの、寝泊りする最低限の設備しかないバシェット形式のホテル。三人部屋で予約してあったが、二段ベットになっているダブルベットが一台、洗面所は個室になっておらず部屋の中央にあり、シャワーも簡易的なシャッターで区切られたシャワールームが部屋の端にあるだけと、狭いスペースを最大限有効活用している設計となっている。
友人夫妻はダブルベットに寝てもらい、一人身の僕はその上の二段ベットを使うことにした。当然のことではあるが、夫婦が寝るダブルベットを尻目に二段ベットのハシゴを昇っていくと、一瞬情けなく感じる。
居を整えたら、夕飯の準備を開始。見ず知らずの土地にきて緊張が続いていたせいか、妙に腹が減っていた。友人にしたら、この小旅行も仕事を休んでのことなので、年明け早々イタイ出費なのだ。食事はスーパーで買ったもので安く済ませる。買い出し次いでに、夜のフランスの田舎町を散策となった。
ペルピニャンは、テート川の支流・バッサ川が旧市街の真ん中を走り、その周り古い建物が並んでいる中世の姿を残す非常に綺麗な街だった。
デパート、家電屋、ホテルなどの近代的な建物も、歴史ある景観の中にうまく溶け込んでいる。なんといってもスペインと違うのは人間がどこか洗練されている。街をうろうろしていたのは夜の8時過ぎ。バルセロナでは浮浪者、地元の不良少年、怪しい薬の売人が活動を始める時間なのだが、ペルピニャンではそういう人は見かけることもなく、安全だった。行き交う人は、老若男女身体のラインに合ったピシッとした洋服に身を包んでいる。オッサン連中も決してよれよれのYシャツや着崩したジーンズ姿ということもなく、きちんとアゴ髭まで整えられ、年齢からくるシワや生え際の薄くなった頭髪ですら、風格を漂わせてるといった具合だ。こっちとしては日本から持ってきたユニクロのジャケットを着ているのが恥ずかしくなるぐらいだった。(翌々日にナルボンヌのデパートでジャケット買うことになる)
旧市街の広場では、地元の大学生らしき若者たち(といっても、アジア人の僕たちよりもずっと年上に見える)が、バーのテラスでパーティーを催していた。店から聞こえてくる笑い声はフランス語のせいかどこかおしゃれに感じる。日本的に言えば、リヤ充たちの集いといった具合だ。
旧市街地は映画のセットに使えそうなぐらいおしゃれだった。土曜の夜ということで人通りも少なく一層雰囲気が出ていた。
市内には一応、寿司屋さんを発見。生魚の握りは、エビ、サーモン、イワシといったヨーロッパで簡単に手に入る魚に限られていたが、こんな田舎町でも我が国の文化が受け入れられてることはうれしくもある。ただ、値段は破格。エビ、サーモン、イワシの握りにカリフォルニアロールみたいなものが付いたプレートが15ユーロ。テイクアウトコーナーもあったが、手は出せず。
そんなこんなで、1時間ほど市内を散策し、近くのスーパーで夕飯の買い物をしてホテルに戻る。明日は、ここペルピニャンからフランスの新幹線TGVに乗ってナルボンヌを目指す。
最後にペルピニャンで見つけたお気に入りの看板。
ブラックジョークが通じちゃうところも素敵な街でした。
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