2017年 6月タイに一人旅行に行こうと思った時の話

2017年5月も終わりごろ。

 
僕は車で栃木県内の国道を走っていた。向う先は茨城県と栃木県の境にある取引先。たしかその日は休みの日だった気がする。時間はお昼過ぎ。過ごしやすかった春の陽気も終わり、日中ともなれば社用車の中はエアコンが必要になってくる。
「もう限界だ。」
一人そんなことを自然とつぶやいてしまう。職場は4月から5月の中旬にかけてが繁忙期だ。その間は圧倒的に忙しくなる。それも忙しくなり方が極端。繁忙期でない時期は残業や休日出勤もあるにはあるが一般的な程度だ。結構良い仕事をしていた父の働き方と比べても遜色ない。ただ、4月と5月は一気に仕事が増える。まず、休みがない。この時、おそらく1ヶ月以上は休めてない。5月のゴールデンウィークも出勤だが、会社の勤務スケは最近の労務管理の風潮を考慮してかしっかり休日となっている。しかし、そんなもの無視して働きづめ。そして、残業ともなればいつ終わるかはわからない。必要な時は夜中でもせっせと働く。その日の終わりは仕事が終わるまで。それでも、みんな空元気を出して働いている。一種の躁病になったような感覚で次から次へと湧いてくる案件をこなしていく。

 この年の頭に異動もあった。それに、4月の頭に部内のメンバーも変更があった。自分に回される仕事の量が増えたのもあったが、如何せん慣れない職場環境にミスを連発してそれで気もすっかり滅入ってしまっていた。
「誰も知らない自分の知らない、会社から隔離された場所に行きたい。」
車から通りなれた景色を見ながら、そんなことを考えてしまった。一度惰性的なことが頭によぎるともうそれに一辺倒になるのが僕の性格。仕事のことから意識がそれていく。有給使って北海道か九州に行ってレンタカーで何をするでもなくドライブでもしようか。いや、国内ではいつ携帯で職場から連絡あるかもわからない。電話でもかかってきたらぶち壊しだ。そうなれば、海外か。日本から手軽に行けるところと言えば、韓国か台湾。台湾は旅行したことはないけれど、日本的すぎてやや面白みに欠けそうだし、韓国は個人的にそそられない。そうすれば、どこか。タイだ。タイには数年前に一度、職場の悪友たちと行ったことがある。職場の悪友は同職種の男仲間で、男同士で東南アジアに行くということはやることは一つ。昼間から酒を飲んでバカ騒ぎをし、夜な夜な歓楽街へと繰り出す。それはそれで楽しいものだが、実はあまりそういうのは好きではない。好きじゃないと言ったらウソになるが、そればっかりになるのが面白くないタチだ。
 数年前のタイ旅行では酔っぱらてばかりだった記憶があるが、バンコク市内に飽きてきたときに行ったカンチャナブリの景色が鮮明に残っている。



映画「戦場にかける橋」の舞台にもなった電車が通る橋だ。当時はバンコクからの日帰り旅行だったこともあって、カンチャナブリの街中までだったがこの先の景色を見てみたかった。思い立ったが吉日という故事成語を言い訳にして、車をコンビニに駐車する。こうなったら、まずは航空券の予約だ。スマホを取り出して、スカイスキャナーで安く行ける航空券を検索する。かくして、今回の一人旅は勤務中に立ち寄ったコンビニの駐車場で決まったのだった。

0 件のコメント :

コメントを投稿